やさしい商業登記教室 第61回 合同会社の定款作成上の留意点(1)


合同会社の定款作成上の留意点(1)

 定款は、会社の組織と活動に関する根本規則です。合同会社には、約30に近い定款の相対的記載事項がありますが、これらの事項を定款に記載するか、記載しないか。記載するとすれば、どのように記載するか。悩ましい問題が沢山あります。何分にも合同会社は、制度創設7年の若い会社です。理論的にも、実務的にも、これから解決していかなければならない問題が沢山あります。ネットに登場する定款例には、これから発生する可能性のある問題を、どう未然に防止するか、何も考えていないように思える定款が多いように思えます。定款が、会社の組織と活動に関する根本規則であるとすれば、会社の活動に関する基本的事項は、法律のプロでない社員に周知するために、たとえ会社法に規定されている事項であっても、定款の任意的記載事項として定款に記載すべきであるというのが元公証人としての小職の持論です。約30に近い相対的記載事項とこれらの任意的記載事項をどのように定款に盛り込むか、これが合同会社の定款作成のポイントです。合同会社の設立は、「定款の作成に始まり、定款の作成で終わる。」といっても決して過言ではありません。定款について、小職と同じ見解に立てば、定款は少なくとも20数条になると考えます。
 以下、合同会社の定款作成上の留意点について、設立から清算結了まで、順次私見を述べることにします。

1. 商号
 合同会社の商号も、その留意点は株式会社とほぼ同じです(会社法6条〜8条、978条、商業登記法27条)。ただし、合同会社の場合は、会社法613条が「持分会社がその商号中に退社した社員の氏若しくは氏名又は名称を用いているときは、当該退社した社員は、当該持分会社に対し、その氏若しくは氏名又は名称の使用をやめることを請求することができる。」と規定しています(会社法613条)ので、社員数名で合同会社を設立する場合は、要注意です。やむをえず使用する場合は、当該社員が退社した場合の対策を設立時から講じて置く必要があります。