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商業登記漫歩 平成17年2月21日号(17号)


◇ 先週の新聞・雑誌の経済面はニッポン放送株をめぐるフジテレビとライブドアの争い一色でした。正に「M&A(合併・買収)」時代の到来を象徴するできごとといえます。

◇ ご承知のように、ニッポン放送(資本金1094億円)の株式12.39%を保有するフジテレビ(資本金4559億円)がニッポン放送(同放送は、フジテレビの株式の22.5%を保有する筆頭株主)の株式の過半数を取得して経営権を確保すべく証券取引法の定める手続に従い1株5950円、期間1月18日から2月21日までの予定でニッポン放送の株式の公開買付を実施中のところ、突如インターネット関連企業のライブドア(資本金308億円)が、2月8日立会外取引でニッポン放送の株式35.15%(議決権保有比率37.67%、2月18日現在39.95%)を取得し、ニッポン放送株の過半数の取得を目指すと宣言すると共にフジテレビ(フジサンケイグループの中核企業)に対し業務提携を申込み、フジテレビはこれを拒否したというものです。

◇ ところで、フジテレビは、2月10日、ライブドアに対する対抗措置として、ニッポン放送株の過半数取得をあきらめ株式公開買付の内容を変更して、取得目標を25.06%(フジテレビがニッポン放送の議決権総数の4分の1超を有するときは、商法241条3項の規定によりニッポン放送は、フジテレビの株式について議決権の行使をすることができない。これにより、ライブドアの影響力を遮断できる。)、買付期間1月18日から3月2日までとしました。これからは、正に両陣営による「法駆使・頭脳戦」です。現在のところ、ホリエモン氏がもっぱら悪役にされ、財界・政界による堀江バッシングが続いていますが、ライブドアの立会外取引が適法になされてさえいれば、法律的には何の問題もなく批判は感情論ということになります。しかし、それにしても、ホリエモン氏がちょっとはしゃぎ過ぎたのではないでしょうか。
  なお、ライブドアは株式の買収資金として800億円の新株予約権付社債を発行しましたが、その割当先はアメリカの証券会社リーマン・ブラザーズです。この新株予約権付社債には、「下方修正条項」があり、リーマン・ブラザーズにとって極めて有利になっています。

◇ いよいよ日本経済も本格的なM&Aの新時代に突入、本年の会社法制定により、外資による日本企業のM&Aがいよいよ始まります。感情論では外国資本には対抗できません。。そう、ライブドア自身も、もし、株価が契約下限の157円まで下って株式へ転換(予約権を行使)されますと、リーマン・ブラザーズがライブドアの株式51000万株を有する筆頭株主になって、ライブドアがリーマン・ブラザーズに乗っ取られる可能性もなくはありません。
 現に、リーマン・ブラザーズ証券は、2月24日に返還する約束で堀江社長から預った(借り受けた)株式4,672万株のうち890万株を売却し、これがライブドア株下落の原因の一つとも言われています。契約上は、売却しても差し支えないとのことですが、日本人の感覚としては、いささか気になるところです。今週は、両者の次の一手を見守る以外になさそうです。(満)


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