商業登記漫歩 平成16年7月26日号(1号)

◇ 来年の「会社法」制定に向けて、法務大臣の諮問機関である法制審議会会社法部会の審議も、要綱案のとりまとめに向けた詰めの審議がなされているようです。
  7月21日に開催された第27回会社法部会について、7月22日付け読賣新聞は、次のように報じて(要旨)います。
 「法制審議会会社法部会は21日、会社の設立時に必要な最低資本金を撤廃する方針を固め、「1円起業」を恒久的な制度にする。平成15年2月から施行された資本金1円でも起業できる確認会社制度を活用して設立された会社は、本年7月16日現在14,334社(うち1円会社は、631社)で、最低資本金規制の撤廃は、起業促進に一定の効果がある。」

◇ また、7月25日付の日本経済新聞は、「法制審議会は、株式会社と組合組織を折衷した「合同会社(仮称)」の新設を打ち出す。」と一面で報じています。

◇ 7月22日、10月1日から施行される平成16年法律第88号改正商法(「株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律」)に対応した「改正商法と司法書士のためのモデル定款例」解説ビデオの校閲が終了しました(詳細は、主宰者からのお知らせ)。研修用ビデオの作成は、昨年の「改正商法とその実務対応」に次いで2回目ですが、何度やっても難しいですね。執筆の方がはるかに易しいと思います。加えて、当職の場合、ルックスの悪さを、弁舌と内容でカバーしなければなりませんので、なお大変です。
  なお、平成16年第88号改正商法の司法書士業務に関係がある改正ポイントは、次のとおりです。

 1、定款の定めにもとづく株券不発行制度の導入

 2、株主名簿閉鎖制度の廃止

 3、新株発行の効力が払込期日に発生

 4、株券の寄託制度の廃止等株券不所持制度の合理化

◇ 先週の東京は、文字通り暑さの中、正に暑中で、都心の最高気温は39.5度、観測史上最高の暑さの中を、日本公証人連合会主催の研修会に講師として出講しましたが、当職も出講史上最低のコンディション(ノドを痛めて声が出ず、腹部の調子も最低)で、受講者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。この漫歩執筆中の今日25日の日本経済新聞の「はつらつ養生訓」の「夏は保養すべし」を肝に銘じた次第です。なお、現在は、絶好調ですのでご安心ください。

◇ 7月24日、当倶楽部の第1回定時社員総会が開催され、役員は全員次のとおり重任となりましたので、よろしくお願いします。(満)

 代表理事(会長)青山典雄、代表理事(主宰者)神崎満治郎
 理事 上野義治、下川眞一、佐藤純通、佃一男
 監事 國松新成、久間清方

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