商業登記漫歩 平成16年9月13日号(7号)

◇ 9月11日付の日本経済新聞に掲載された某ホテルの「新株式発行に関する取締役会決議公告」、相当のスペースを使用していますので、お気付きの方も多かったと思います。
◇ 公告は、種類株式の発行に関するものですが、商法222条で定める数種の株式の基本型は、次の6種類です。

 (1) 利益配当種類株式
 (2) 残余財産分配種類株式
 (3) 株式の買受け種類株式
 (4) 利益償還種類株式
 (5) 議決権制限種類株式
 (6) 取締役等選解任種類株式

 なお、以上の種類株式が発行された場合に、これに付加できるものとして(7)転換予約権付株式、(8)強制転換条項付株式および(9)拒否権付株式があります。

 ところで、某ホテルの発行する新株式は、以上の種類株式のうち、(1)、(2)、(4)、(5)、(7)および(8)に関するもので、種類株式の学習に絶好の教材といえます。興味のある方は、ご一読ください。

◇ 平成16年改正商法(株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律)が、10月1日から施行されます。
  主な改正点は、次のとおりです。

 (1) 株券不発行制度の導入(公開会社については、施行日は本年10月1日ではありません。)
 (2) 株主名簿閉鎖制度の廃止
 (3) 株券不所持制度の合理化
 (4) 新株発行の効力発生日を払込期日に変更

  以上の改正点については、次号から解説します。(満)